電気トラック 電池交換/C- 回生

概要

従来「電気トラック」では、「回生」用に損失の多い多量の「電池」を使用していた。
本システムでは、「電池」の代わりに低損失の「コンデンサ(キャパシタ)」を使用することによって、電池の大幅削減ができる。
ゆえに『車両価格は安く、運用電気代は低く、高い「回生効率」』が期待できる。
市内を巡回走行する車両に、特に有効である。
ノンストップ遠距離車両は、「電池車」を接続するのも良い。
いずれのシステムも、CO2 =0に近い「気候変動対応」の「電気車両」である。

overview
In conventional electric truck, a large amount of batteries with high loss were used for regeneration.
In this system, by using capacitors with low loss instead of batteries, a significant reduction of batteries can be achieved.
Therefore, it can be expected that “the vehicle price is low, the operating electricity cost is low, and the regeneration efficiency is high”.
This is especially effective for vehicles that run around the city.
For non-stop long-distance vehicles, it is also good to connect a battery car.
Both systems are electric vehicles that are close to CO2 = 0 for “climate change response”.

車両概観 予想図

車両概観 予想図

1.ローコスト化

搭載する「電池」は、必要最小限にする。(結果的に、充電するエネルギ-コストも必要最小限になる)

電力・タイムチャ-ト

 

1.1 「C-回生」による電池の削減

従来は、ブレーキ時のエネルギ-を「電池」に吸い上げる「B―回生」(仮称)が多かった。
従来方式では、多くの電池を要し、また損失も多く発生した(別紙)。
これを改良するため本案では、電池の代わりにコンデンサを使用する(図のC1)。
これを、「C-回生」方式(下記)と仮称する。

「C-回生」の詳細

(1)ブレーキを踏むと、1ミリ前後の微少時間ごとにゲートを開き、ブレーキ踏力を計測しそれに比例した電流指示値 ±I0または±ΔV(Q=CVより算出)を決める。

(2)平均電流がI0またはコンデンサC1の電圧差がΔVに達したら、ゲートを閉じる。
(そのエネルギ-で、車両にブレーキをかける)

(3)アクセルを踏むと、(上記とは逆の操作をする)1ミリ前後の微少時間ごとにゲートを開き、アクセル示値に比例したコンデンサC1の電圧がΔVに到達したら、ゲートを閉じる。これを次々と繰り返して加速を行う。

1.2 「半日走行分」

走行に必要な電池の半分を車両に搭載して、走行に利用し残り半分は給電所に預け充電する。

1.3 「走行補助」(走行エネルギの一部負担)

道路側に送電装置を増やせば、走行に要する電池エネルギ-が少なくなり、発電所の充電負担も少ない。

(1)停留所に設置  停車中に、エネルギをC2に貯め、加速後に走行補助する。

(2)平坦地に設置  停留所間が長い場合、その中間に100mほどの給電線を設け、走行補助する。

(3)長い坂道に設置

① 上り・下り、双方に間歇的に設け、中央分離帯に設けた電池等で結ぶ。トラックは、通過時にポールコイルを出し、エネルギ―の授受を行う。特に下り坂では、暴走を弱める機能を持たせる。

② ヘアピンでは、エネルギ―授受もさることながら、危険防止が特に重要である。下り坂、手前○○メートルに設けるかは、実地調査のうえ決める。

2.自然エネルギー化

2.1 小規模給電装置

原則としては電気トラックには使用しない。

(「電気車両 電池交換/C- 回生」を参照してください)

2.2 中規模給電センター

(1)「市内バス」や「市内トラック」の電池パックの充電・交換を行うが、電気バスを優先する。

(2)都市中央部より50Km前後に位置し、大・中型太陽光や風水力で発電され、水素燃料電池(仮称)、大型蓄電池に蓄えられた電力を受電する。

(3)バスの「電池パック」の満充電が不可能と予想された場合は、「大規模給電センター」への充電依頼ができる。

(4)例外的に商用電力で充電する機能も有する。

以上のように半日(9時間)走行分の電池を車載し、残り半日分の電池は充電能力のある給電所で充電・電池交換する。

2.3 大規模給電センター

大規模給電センターは高速道路端に設けられ、一般的に山奥の大水力発電所・風力発電所・地熱発電所・水素燃料発電所等 から送電線により給電される。

(1) 100Km前後に設けられた給電センターは、「市内バス」や「市内トラック(物流車)」の電池パックの充電・交換に使用する。

(2) 100Kmよりさらに遠方の給電センターは、「給電車」を接続した遠距離(高速)バス・遠距離トラック専用のモジュール電池の充電・交換所である。

半日走行分の電池モジュールを満充電したら、「給電車」(自走or他走)と交換する給電センターとして利用する。

給電センターからは、クレーン式ロボット等 を使い電池交換する。

給電センター概要図

2.4 運転補助(AI)

2.4.1「 電池のネット管理 」

① 車両の電池切れと電池交換の近隣場所の案内( 管理下の全電池の均等利用<1日1回の充・放電を目指す>)

② 予約の確立と道案内 (充電だけのための予備電池を極力無くし、電池の寿命も25年と長くする)

2.4.2「衝突防止」補助

① 障害物検出センサーを車両に設ける。

② そのままの運転状態を続けると、障害物に衝突すると判断した場合、その度合いに応じて、警報音と自動ブレーキを強める。

3.運用 計算例

都市内で運用される電気トラックで、ブレーキ・アクセルの多い例

【仮定】

(1) 車種 = 市内 電気トラック(宅配便、スーパー・コンビニ配送車。等)

(2) 規模 =10トン級度 午前午後、計15棟を巡回する。総ブレーキ(1交差+1棟)=30回

(3) 最大パワ=50kw 走行平均パワ=35kw 平均距離=500m/棟 と仮定

(4) 集配(停車)時間=20分/棟、計300分=5時間と仮定。

① 総走行電力(電池部)/台=電力パワ×走行時間×15棟
=35kwx(500m-200m)/40km/時×15棟= 3.94kwh

② 総回生電力=35kw×100m/40km/時×30回2= 2.63kwh

② 停車(集配)時間  =20分×15棟=300分=5時間(仮定)

上記から、「回生」による電力補助が大きいので、「電池」(自然エネ)は少なくてよい。
ただし、車庫から現地までの往復の交通エネルギ-は省略している。

4. お願い

この方式による車両を試作して頂ける方は、下記にご連絡願います。

Mail:fujioka@s-soken.co.jp
URL:http://www.s-soken.co.jp/
NPO法人 Cityトラフィックス(募集中)
旧(株)システム創研 担当 藤岡

(2023.06.25 改訂 Ⅱ版)
(2023.02.06    Ⅰ版)